本日、第3回福井市みんなの環境学習「福井の緑の変遷とこれから」講師:樹木医・自然再生士 籔内昭男氏。(主催:福井市環境推進会議、事務局:福井市環境課、運営:NPO法人エコプランふくい)
世界全体から日本、そして福井の山林の特徴、温暖化による影響、歴史的な植生の変遷、里山整備のあり方などをうかがった後、こんどはまちの中の緑の話をうかがいました。特に街路樹。
街路樹が、狭い場所に植えられ、根を伸ばせず、無理な剪定で必死で萌芽更新している木々たち。
京都や金沢など、美しい街路樹を保っているまちは、なぜそれができるのか。
参加者からは、熱心な質問や意見が次々と出され、行政のリーダーシップと市民のサポートが不可欠であること、まちをどうつくりたいかという住民の合意形成の必要性、都市計画に緑の専門家をきちんと入れること、道路整備管轄と緑の管轄の連携など、重要ポイントを皆で明確にしていきました。
「道路をつくり、街路樹を植えたら終わり」ではなく、数十年後の緑の成長をどう考えていくかという視点から道路設計を行い、木を植えて行かねばならないこと。順番が逆なんですよね。
福井は、戦災・震災復興から、全国の都市づくりの見本となっていたにもかかわらず、今ではすっかり後進県になってしまったこと。その遅れの原因はどこにあるのか。
京都が、美しい街路樹景観をつくることができるのは、プライドを持ってまちづくりをしていて、風致保全担当部署まであること。行政も市民もそこに誇りを持っている。しかし、そこに行き着くまでには、いろいろな苦労もあったとのこと。
福井は、まちの景観にプライドを持っているのか。持っていないとしたら、原因はどこにあるのか。
30年以上前に県庁で街路樹の担当をしていたという参加者からは、当時も今も問題は何も変わっていない、進歩していないと。なぜか。
金沢の街路樹はもっと敷地が高く土がこんもりしていますねと参加者からも。それだけ根っこも深く張れることでしょう。根の張る範囲は、樹冠直径よりもっともっと広いとか。
いろいろ考えていくと、やはり、美しいまちづくりは、市民と行政がビジョンを明確にし、設計段階から意見を重ねていくことが本当に重要ですね。
パブコメやアンケートだけでは、住民参加、市民参加とは言えません。話し合いと合意形成が重要です。
籔内先生の貴重なお話をもとに、参加者皆さんの熱心なご参加で、有意義な話し合いができ、ありがとうございました。
時間が足りず、里山整備の方を深めることができなかったので、また次の機会を楽しみにしたいと思います。