コラム

在宅勤務

新型コロナウィルスにより、在宅勤務が推奨されています。
 

SOHO(Small Office Home Office)は、日本でも普及し、IT技術の発展でより実現しやすいワークスタイルになってきました。しかし、まだまだSOHOという言葉は、一般的ではありません。
 

もちろん、SOHOが可能な業種、職種とそうでない業種、職種があります。
 

しかし、今回の新型コロナウィルスのために実行されている様子を見る限り、普段は満員電車や通勤ラッシュの中で往復している人でも、いろいろな工夫で在宅勤務、リモートワークが可能な人や組織があるのではないでしょうか。
 

私が、27,28年前からSOHOを始めたきっかけは、カリフォルニア州デービス市で総合計画、都市計画の研究調査を行ったことです。
 

当時、私は東京の地域計画コンサルタント会社の研究職として働いていましたが、担当していたつくば市(筑波研究学園都市を含む)の仕事で多くをつくばで過ごしていました。
 

そのつくば市の総合計画の業務のために勉強したいと、デービス市を訪問し、いろいろな調査をさせていただきました。
 

その時に、在宅勤務が推奨されていることを知り、自分もやってみよう!と思い立ったのでした。
 

デービス市が在宅勤務を推奨していた理由は、通勤で費やすエネルギーをできるだけ削減すること。例えば、ほとんどの都市で土地利用上制限している居住地でのコテージ・インダス トリーを認め、自宅でスモール・ ビジネスを行なうことを政策として許可していました。
 

他にも、もちろん通勤時間の節約、市街地中心部の駐車場の抑制、地域や家庭の時間も大事にできるライフスタイルなどいろいろなメリットがあります。
 

帰国し、調査結果をまとめているうちに、つくばへの移住を決め、SOHOをスタートさせたのでした。
 

当時、日本ではほとんど聞いたことのないSOHO。最初は、社内での信頼を構築するにも時間が必要でした。
 

しかし、昨今、時代は移り変わり、様々な業種で、在宅勤務やリモートワークが進んでいること、感慨深いです。
 

緊急事態で社会が新たな試みを行っている今、家族や地域や自分の時間とエネルギーを確保する方法として、拡がっていくきっかけになればと思います。介護や育児等との両立の可能性も拡がります。

 

詳しくは、下記の専門誌に執筆しています。

『サステイナブル・デザイン・ガイド』1996, 新日本建築家協会JIA, p32-44
http://harmas-biocosmos.com/wp-content/themes/harmas/images/pdf/davis_report.pdf

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