コラム

2023迎春


 
2023 迎春
 
新年いかがお迎えでしょうか。
 
昨年は、様々な領域の業務と論文執筆でゆとりを見失いがちな日々を過ごしました。しかし、多岐にわたった業務には、人が育つ、人が社会の一員としての力を持つというシティズンシップ教育の真髄を一貫して見出すことができ、お声をかけて下さった皆さま、ご一緒して下さった皆さまに深く感謝しております。
 
それは、小学生が気候変動、地球温暖化について学ぶ授業から、地域の大人と一緒になって未来を考えるワークショップまで、活発な対話を通して子ども達や若者達が輝く姿をたくさん感じ取ることのできる時間でした。
 
一方、まちづくりカレッジでは、高校生や大学生が地域の大人と一緒に課題を探求しプランを描く大切な時間を過ごしてきました。10回シリーズの回を重ねるごとに信頼の絆が深まり、身近な課題にアクセスする目が育ち、問題を統合的に解決しようとする力が変化していったことを実感しました。2月5日に発表会が開催されます。詳細は後日アップしますので、ぜひいらして下さい。
 
この他、脱炭素ワークショップでも中学生、高校生、大学生、そして社会人の若者達がまちの現状を分析し、将来を展望、そして大きな舞台でプレゼンテーションしました。県内の海洋ごみ問題解決の啓発動画制作でも、全国規模で取り組まれた高校生の課題解決型探究活動においても、そして県内の大学生が取り組んだ若手環境教育リーダー活動も、子ども達や若者が智恵と創意工夫に満ちた活動を繰り広げ、審査委員として大変勉強になりました。
 
ジェンダー問題については、システム思考を応用したミステリー教材を皆さんと作るためのワークショップを通して、複雑な問題を体系的に整理し、わかりやすく伝えていくための技術を探求中です。
 
そして11月にはJICAと福井大学のプロジェクトで、海外からの皆さまと子どもの権利について学び合い、それぞれの国のアクションプランに帰結させるところまで約1ヶ月の間、ともに過ごさせていただきました。各国それぞれの事情を抱えながら真摯に問題に向き合っていた皆さんの姿が今も心に深く刻まれています。
 
国交省の委員会では、地方の人口減少問題が大きな焦点となり、若者流出やジェンダー問題との関わりから議論が展開されたこと、4名の若者が実際にゲストとして招かれプレゼンしたことなど、ここでも若者達の活躍を頼もしく実感しました。農水省の委員会では、現地訪問にて地域の課題を向き合い努力を続けておられる団体の方々と意見交換させていただき、その真摯なあり方が脳裏に強く残りました。
 
6月に受理された気候変動教育の論文2本目(ジグソー法による課題解決ワークショップの成果分析)は、現在公開を待っているところです。また、トランジションについての著書(白井信雄先生)の1コマを執筆させていただいたことも、これまでの地域での成果を今後に向けて位置づけられる有難い作業でした。今年発刊予定になっています。
 
他にも様々な出来事があり十分に書き表すことができませんが、一つ一つに感謝と責任を自覚しているところです。新年も謙虚に気持ちを引き締めながら、心身の持続可能性を基本としつつ、皆様から教えていただくことに感謝して歩んで参りたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
 
2023年1月 アルマス・バイオコスモス研究所代表 水上聡子

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