アルマス・バイオコスモス研究所

アルマス・バイオコスモス研究所について

『ファーブル昆虫記』で有名なJ・Hファーブル は、晩年の研究・執筆活動に南フランス・セリニアンを選びました。その一帯は、強い日差しに焼きつくされ、大地も枯れ、雑草しか生育しないような不毛の地で、プロヴァンス語で「アルマス」(Harmas)と呼ばれるような荒れ果てた土地でした。ファーブルは、そこにかまえた自分の家を“Harmas de Fabre”(アルマス・ド・ファーブル)と名づけ、生涯で最も充実した研究・執筆に没頭しました。

「アルマス・バイオコスモス研究所」は、様々な課題をもつ地域社会において、そこに住む住民、市民が、自分たちの暮らすまちを見つめ、耕すことのできるシティズンシップの育ち合いをめざして、様々な活動を提案していきます。
 Cosmos(コスモス)は、宇宙を秩序ある、調和のとれたシステムとみなす宇宙観で、「秩序、整列」を意味するギリシア語のκόσμοςという言葉に由来し、カオスと対をなす概念です。

この宇宙の森羅万象、生きとし生けるものの存在に想いをめぐらせながら、何ひとつかけてはならない秩序=コスモスを意識し、宇宙の中の小さな存在である人間に焦点をあて、「人と人、人と自然がつながり、ともに生きることのできる社会」をめざし、アルマス・バイオコスモス研究所は活動していきます。

※シンボルマークは、生活・地球・体内・知的環境を表す三角錐と、それを守る理想郷としての曼荼羅をイメージしたものです。

以下のサービスを提供します。

  • ファシリテーター養成研修、ファシリテーションスキル講座
  • 各種講座、ワークショップの企画運営、ファシリテーション
    (例:人材育成、環境、福祉、男女共同参画、防災、景観、人権、国際理解、まちづくり全般)※対象人数:約5名~30名
  • ヴァーチューズ・プロジェクトを用いたワークショップ
  • シンポジウム、フォーラム、セミナー等のコーディネーター
  • その他(執筆、対談、委員会・審議会等の委員)

※講座、ワークショップ等は、基本的にオーダーメイドです。費用については、あらかじめご相談下さい。

※これまでの活動詳細は、ACTIVITYをご覧ください。

アルマス・バイオコスモス研究所は、ひとりひとりの「内発的動機づけ」に焦点をあて、市民が主役となる社会をめざして、下記をテーマに様々なワークショップの企画・運営、アクティビティの提供をめざしています。

1. シティズンシップ教育

シティズンシップ(市民性)とは、個人が自己を守り、自己実現を図りながら、よりよい社会の実現に貢献するために、多様な関係と積極的に関わることのできる資質です。この資質を引き出し、磨いていくためには意識・知識・スキルの3つが重要とされています。イギリスに端を発し、世界の教育現場で取り組まれており、我が国でも2006年に経産省がシティズンシップ教育についての定義と研究報告を行ないました。

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2. ヴァーチューズ・プロジェクト

誰しも、生れながら愛、いたわり、勇気、信頼など様々な美徳=ヴァーチュー(Virtue)を持ち、成長とともに人格の文化を築いていきます。1988年に臨床心理士リンダ・カヴェリン・ポポフ(カナダ)等により開発されたヴァーチューズ・プロジェクトは、人と人、人と自然が関わり合いながら人格の文化を磨き合うことをめざして、教育プログラムを確立し、グローバルな教育モデルとして国連で推薦されています。

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3. ESD(持続可能な開発のための教育)

ESD(Education for Sustainable Development)「持続可能な開発のための教育」は、環境、人権、平和、開発など様々な課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことにより、持続可能な社会を創造していくことを目的とした学習や活動です。「国連ESDの10年(2005~2014)」が修了した後、「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」が採択されています。

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1. シティズンシップ教育

急速に変化する社会の中で、自分を大切にしながら他者との適切な関係を築き、個性を発揮し、よりよい社会づくりに関わるためには、一人ひとりが社会の一員として課題を見つけ、その解決に関するプロセス(企画・検討、決定、実施、評価)に関わることが重要です。

社会的能力を身につけるには、家庭、地域、学校、職場など様々なコミュニティに参画し、ともに学び合っていくことが重要です。そのための教育がシティズンシップ教育。意識・知識・スキルの3つが重要とされています。

(1)意識

①自分自身に関する意識(向上心、探究心、意欲など)、②他者との関わりに関する意識(人権の尊重、多様性の尊重、異質な他者への敬意と寛容、相互扶助など)、③社会への参画に関する意識(法令・規範の遵守、政治への参画、社会貢献、環境共生など)。

(2)知識

①公的・社会的な活動に必要な知識(教養・文化・歴史、社会規範、思想・哲学、環境問題、ユニバーサルデザイン、まちづくりなど)、②政治分野の活動に必要な知識(民主主義のしくみ、国民の権利・義務、住民参加、情報公開、国際紛争など)、③経済分野の活動に必要な知識(市場原理、資本主義のしくみ、消費者の権利、労働者の権利、税制、社会保障制度、金融・投資・財務、CSRなど)

(3)スキル

①自己・他者・社会の状態を客観的・批判的に認識・理解するためのスキル、②情報を効果的に収集し、正しく理解・判断するためのスキル、③他者とともに社会の中で自分の意見を表明し、他人の意見を聞き、意志決定し、実行するためのスキル。

参照:「シティズンシップ教育と経済社会での人々の活躍についての研究会報告書」 経済産業省 平成18年3月

※シティズンシップ

経済産業省(2006)は、シティズンシップを「多様な価値観や文化で構成される社会において、個人が自己を守り、自己実現を図るとともに、よりよい社会の実現に寄与するという目的のために、社会の意思決定や運営の過程において、個人としての権利と義務を行使し、多様な関係と積極的(アクティブに)関わろうとする資質」と定義しています。


2. ヴァーチューズ・プロジェクト

ヴァーチューズ・プロジェクトは、カナダのリンダ・カヴェリン・ポポフ(心理療法士・企業コンサルタント)、ダン・ポポフ(臨床小児心理学者)、ジョン・カヴェリン(ウォルト・ディズニー・イマジニアリング社ディレクター)の3人によって1988年に誕生しました。特定の宗教ではなく、世界の様々な文化が共有している単純な叡智、例えば、勇気、正義、親切、思いやり等の内在的な美徳、人々の中にある最善の資質によって生きることを学び合う教育プログラムです。

1994年の国際家族年に、あらゆる文化の家族のためのグローバルなモデルプログラムとして、国連事務局と「都市・企業世界会議」によって推薦され、世界の約100ヶ国でプログラムが実践されており、家庭・学校・企業などの様々な状況の中で、「人格に基づいた文化」を形成することに貢献しています。日本では、2005年にThe Virtues Project Educator’s Guide 『ヴァーチューズ・プロジェクト 52の美徳の教育プログラム』(太陽出版)が大内博氏の翻訳で出版され、国際公認講師を取得した「ヴァーチューズ・プロジェクト国際ファシリテーター」が、教育、医療、福祉、企業、地域社会、その他様々な領域で活動しています。

参照:NPO法人ヴァーチューズ・プロジェクト・ジャパンHP

※52の美徳

愛 いたわり 思いやり 感謝 寛大 寛容 気転 共感 協力 勤勉 決意 謙虚 コミットメント 識別 自己主張 自信 自制心 柔軟性 正直 情熱 真摯 親切 辛抱強さ 信頼 信頼性 正義 清潔 誠実 整理整頓 責任 節度 創造性 尊敬 忠誠心 慎み 手伝い 忍耐 奉仕 無執着 名誉 目的意識 優しさ やすらぎ 勇気 友好 優秀 ゆるし 喜び 理解 理想主義 礼儀 和


3. ESD(持続可能な開発のための教育)

ESD(Education for Sustainable Development「持続可能な開発のための教育」)は、環境、人権、平和、開発など様々な課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことにより、持続可能な社会を創造していくことをめざす学習や活動で、「国連ESDの10年」(2005~2014年)に続き「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」が採択されています。

ESDは、①持続可能な開発に関する価値観(人間の尊重、多様性の尊重、非排他性、機会均等、環境の尊重等)、②体系的な思考力(問題や現象の背景の理解、多面的かつ総合的なものの見方)、③代替案の思考力(批判力)、④データや情報の分析能力、⑤コミュニケーション能力、⑥リーダーシップの向上をめざしています。

※ESDファシリテーターズ・カレッジ

ERIC国際理解教育センターは、問題解決の「意欲」と「技能」を備えた人間形成に役立つ新しい学習・教授法を伝えるため1989年に設立され、研究者、学校教員、自治体職員、NPO・NGO職員、一般市民、大学生などに通年型のESD ファシリテーターズ・カレッジを提供し、①参加型学習の教材開発、②ファシリテーター養成研修、③国内外の資料・情報センター機能など多彩な活動を行なっています。