「わたし・あなた・みんなのために」
~母としての女性の人生をふりかえる旅~
本日、2.5hのプログラムを終了。計6名でワークしました。
ERICの参加型学習の基本となる、「わたし・あたな・みんな」という枠組みは、とても重要な役割を果たしました。
途中途中で、話し合いの意義を見極めながら慎重に進行したので、プログラムの半分しかできませんでしたが、①「わたし」の重要性、②「あなた」との関係を築く難しさと必要性まで、様々な気づきがありました。
特に、人権問題を考える際に、なぜ「わたし」から出発するのか。その意義を社会全体が理解しておくと、「みんな」の関係も随分変わると思います。また、なぜ、「わたし」が確立されていないと、「あなた」を大切にできないのかということも、もっと社会全体が理解できるようになればと思います。
次に、「あなた」についてです。
傾聴トレーニングはずいぶん様々なところで展開されていますので、「心をこめて聴く」、「共感しながら聴く」、「相手の思考の交通整理に役立つ質問をしながら聴く」というのは、よく練習していると思います。
しかし、人権を考えた場合、「相手のことを感情とその背景にあるものを理解しようと努力して聴く」というのは、大変重要ですが、意外と経験がないのではないでしょうか。
出来事など、相手の話の事実部分を聴いて、なんとなく理解したように思っていても、その出来事によって生じた感情やその感情発生のメカニズムを正確に把握するというのは、けっこう難しいです。
ワークでは、話し終わった後、聴き手役をした方が要点をしぼってフィードバックするわけですが、話し手からすると、「いちばん言いたかったのはそこではない」とか「出来事の事実にとらわれて感情部分がうまく伝わらなかった」というようなことがあります。
今回も、ペアワークでやってみましたが、様々な発見がありました。
話す側も、長々と説明をしていると肝心の部分が伝わらないし、事実を中心に話すと感情をくみ取ってもらうのに限界があったり。しかし、感情ばかりを全面に出して話すと論理的でなくなり、ますます伝わらなかったりするのではないかと皆でふりかえりました。
聴く側も、事実を厳密に記憶しようとそちらにエネルギーをかけるのではなく、そこに伴う感情を推察し、相手は何をいちばん伝えようとしているのかに神経を注ぎ、聴いていくことで理解が進みます。
思考パターンも感受性も経験値も異なる者どうしが、100%同じ理解に達することは難しいですが、少しずつ努力の姿勢を磨いていくことで、人権尊重社会の第一歩になるということが確認できました。
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「参加のルール」について。
今日のメンバーは、参加のルールづくりは慣れた方ばかりということを前提に、あえて、難易度を上げ、「人権の本質に触れるためのルールづくり」としました。これは、ERICでも経験しましたが、なかなか難しいルールづくりです。
出された意見は、
・主語を明確にする。「誰が」に焦点をあてる。
・言葉のイメージ、意味、使い方など理解が異なることもあれば、確認しながら進む。
・話し合いは深めるが、突き詰め過ぎない。一人一人の考えや感じ方を尊重する。
・「受け止める」と「受け入れる」の違いを意識する。
・遠慮せずに言う、聞く。「安心できる居心地のよい場」だけで終わらない。
・積極的に質問をする。その際に、「なんで?(攻め型)」ではなく、「どのように?」
・それぞれのスピリットを尊重する。一人一人が「健やか」であることを大切にする。
報告のつづきは、また後日。
本日のテキストとプログラムは以下の通り。(プログラムは、承のところで終えました)
●テキスト
ERIC国際理解教育センター
「人権教育ファシリテーター・ハンドブック」
「いっしょに考えて!人権」
「いっしょにすすめよう!人権」
●プログラム
0) 参加のために「話し合いの土台」「「学びたいこと(一人一人の目標・ゴール)」
1) 起:“わたし”尊重「セルフエスティーム」
2) 承:“あなた”尊重「インタビュー&正確に聴く」
3) 転:“みんな”尊重「人権についての体験KJ~妊娠・出産・子育てを通して」
4) 結:肯定的な風土・文化のつくり方「前向き子育てビンゴ~人権の視点で」